透析治療を受けている方の中には、週3回の定期的な通院を大きな負担に感じている方が少なくありません。2024年末時点で全国の透析患者数は33万7,414人に達しています。
透析通院は治療時間だけでなく、移動時間や待ち時間も含めると1日の大半を費やすことになります。さらに高齢化に伴う体力低下や透析後の疲労感、家族の送迎に関する負担など、実状は様々な課題が重なった複雑な大変さといえるでしょう。
この記事では透析通院が大変と感じる理由を整理し、具体的な対策をご紹介します。本人や家族の方の負担を軽減できる方法がないか、ぜひチェックしてみてください。
透析通院が大変と感じる主な理由
透析通院の負担は、単に通院回数が多いというだけではありません。
- 時間的な拘束
- 身体的な負担
- 家族への影響
など、複数の要素が複雑に絡み合っています。
多くの透析患者は週3回、1回あたり4時間程度の治療時間、移動時間や待ち時間を加えると、通院1回で5〜6時間以上を費やすケースも多いでしょう。
さらに高齢化が進む透析患者では、透析そのものによる身体への負担も無視できません。血液を体外循環させる治療は非生理的な処置であり、体内のエネルギーや栄養素を消費するため、透析後に強い疲労感や倦怠感を感じる方が多いのです。
また、介護者側の時間的・心理的負担も深刻な問題となっています。負担を現実的に理解し、対策を講じることが、生活の質を維持するために必要といえるでしょう。
1回4時間の定期的な週3回の通院負担
日本の血液透析は週3回、1回あたり4時間以上が標準スケジュールとして推奨されています。これは日本透析医学会のガイドラインでも、生命維持に必要な最低限の治療時間として定められています。
本来、健康な腎臓は1週間で168時間休みなく働いていますが、週3回・1回4時間の透析ではわずか週12時間でその機能を補うのです。つまり、週3回の透析は十分な回数とは言えず、生命維持のための必要最低限と考えられています。
治療スケジュールを年間で計算すると、約156回の通院が必要です。通院のために確保しなければならない時間は年間約600時間以上にのぼり、仕事や趣味、家族との時間など日常生活に大きな影響を与えます。
特にフルタイムで働いている方にとって、週の半分近くを透析治療に費やすことは大きな制約となり、就労との両立が困難になるケースも少なくありません。
移動や待ち時間を含めた時間的な拘束
透析治療そのものに最短でも4時間かかるのに加えて、移動時間や施設での待ち時間も発生します。一般的な血液透析では通院時間や準備、後片付けの時間を考慮すると、透析関連の時間として週15時間以上を確保しなければなりません。
透析施設までの所要時間は、患者の約8割以上が片道30分未満で通院できている一方で、15%以上の患者は30分以上かけて通院しています。片道30分の場合、往復で1時間となり、透析治療の4時間を合わせると最低でも5時間が必要です。
参考:2021年度 血液透析患者実態調査報告書(表Ⅳ-13 通院時間(片道))
さらに診察の待ち時間や治療開始前の準備時間、治療後の体調確認などを含めると、1回の通院で5〜6時間以上を費やすことも珍しくありません。
週3回同様の状態が繰り返されるため、透析患者にとって通院全体の時間的拘束は非常に大きな負担となっているのです。
高齢や体調不良による身体的な負担
透析患者の高齢化は年々進んでおり、2024年時点で透析患者の平均年齢は70.27歳に達し、65歳以上の高齢者が全体の7割近くにも上っています
高齢化に伴い、透析患者の体力や筋力は一般の健常者と比較して著しく低下しています。過去の調査では、透析患者の最高酸素摂取量は同年代の健常者の50〜60%程度まで落ちていることが報告されています。
さらに透析治療そのものが身体に大きな負担をかけるため、治療後は強い疲労感や倦怠感に襲われます。血液を体外循環させる非生理的な処置により、体内のエネルギーや栄養素が消費され、透析直後は血圧低下も起こりやすくなります。
疲労した状態での移動は高齢患者にとって非常に困難です。加えて透析患者は心不全や脳血管障害などの合併症を併発しやすく、糖尿病性腎症が原因の場合は視覚障害や下肢の切断といった重篤な合併症を抱えているケースもあります。
家族の送迎やスケジュール調整の難しさ
透析患者が自力での通院が困難な場合、多くのケースで家族が送迎を担当しています。しかし週3回という頻繁な通院は、家族にとっても大きな負担となります。
家族も仕事や家事などで多忙な中、毎回の送迎は容易ではありません。特に寝たきりや車椅子を使用する患者の場合、車への乗せ降ろしだけでも重労働となり、介護者の身体的負担は計り知れません。
また通院に付き添う介護者の多くは配偶者であるため、介護者自身も高齢化により病気や障害を抱えている可能性があります。
厚生労働省の2022年度の調査研究によると、透析患者の送迎を伴う入所について、7割以上の特別養護老人ホームの受け入れを断る方針が明らかになっています。送迎の負担がいかに大きいかを物語っているといえるでしょう。
透析施設が提供する無料送迎サービスの活用
透析通院の負担を軽減する最も身近な方法として、透析施設が提供する無料送迎サービスがあり、利用者も増加しています。現在、多くの透析施設で送迎サービスを行っており、自宅から施設までドアtoドアで送迎してくれます。
ただし送迎エリアや対応時間、車両のタイプは施設によって異なるため、利用前の確認が必須です。透析施設の送迎サービスは通院困難を解消する有力な選択肢となっています。
通院に難しさを感じている方やご家族は利用を検討してみましょう。
多くの透析施設が無料送迎を実施している
全国の透析施設で無料送迎サービスを提供する施設が増えています。送迎の有無は施設選びの判断基準として、高齢者や身体が不自由な方の安心材料となってくれるでしょう。
多くの施設では週3回の定期通院が必要な透析患者を受け入れ、患者満足度を高めるため送迎サービスを提供しています。一部施設では有料となっていたり、エリア制限を設けていたりする場合もあります。
ケアマネジャーや地域連携室などに送迎サービスについて相談するのも良い方法です。通院のしやすさは生活の質を左右します。
自宅から施設までドアtoドアで対応
透析施設の送迎サービスは、自宅玄関から透析施設入口まで完全に対応するドアtoドア方式が基本です。公共交通機関を利用する場合に必要となる乗り換えや、停留所やバス停までの徒歩移動が一切不要なため、身体への負担を大幅に軽減できるでしょう。
特に高齢者や身体が不自由な方にとって、乗り換えや徒歩での移動は大きな負担となりますが、ドアtoドア方式ではこうした心配がありません。また、雨天や猛暑、積雪といった悪天候に左右されることなく安全に通院できる点も大きなメリットです。
車椅子やストレッチャー対応の車両も利用可能
多くの透析施設では、身体状況に応じた特殊車両を配備しています。
| 車両 | 特徴 | メリット |
|---|---|---|
| リフト付き | 車椅子に乗ったまま利用可 | 電動で車椅子を持ち上げるため介助者の負担も軽減 |
| スロープ付き | なだらかな角度で車椅子のまま乗り降り可能 | リクライニング機構や電動車椅子にも対応可 |
| ストレッチャー対応 | 電動リフトやスロープで利用 | 寝たきりの方も安全乗車可 |
福祉車両の配備により、重度の身体制約がある方でも安心して通院できる環境が提供されています。施設によって車両の種類や対応範囲が異なるため、利用前に確認しておきましょう。
送迎サービスがある施設の探し方と確認事項
送迎サービスを提供する透析施設を探すには、いくつかの方法があります。まずインターネットで「地域名、透析、無料送迎」というキーワードで検索すると、該当する施設のホームページを見つけられます。
クリニック情報サイトでも、送迎サービスの有無で絞り込み検索が可能です。また地域の医師会や自治体の医療機関案内サービス(東京都医療機関・薬局案内サービス、大阪府医療機関情報システムなど)も活用できます。
- 送迎対応エリア
- 送迎時間帯
- 予約方法
- 車両のタイプ(車椅子対応の可否など)
- 送迎場所(自宅前まで来るか集合場所があるか)
施設見学時には、実際の送迎車両を見せてもらい、乗降のしやすさや車内の広さ、安全装備を確かめておきましょう。
また送迎ドライバーの研修体制や緊急時の対応方法についても質問しておくと安心です。透析施設によって送迎サービスの内容は大きく異なるため、複数の施設を比較検討して自分に合った施設を選んでください。
公共交通機関や介護タクシーを利用する方法
透析施設の送迎サービスが利用できない場合や、自力で通院できる方のために、公共交通機関や介護タクシーを活用した通院手段があります。
身体障害者手帳を活用すれば公共交通機関の運賃が割引になり、経済的負担を軽減できる可能性があります。
また介護保険が適用される介護タクシーや、地域のNPO法人が運営する福祉有償運送サービスなど、身体状況に応じた選択肢が用意されています。サービスを組み合わせれば通院にかかる費用を抑えながら、安全に治療を継続できる体制を整えられるでしょう。
身体障害者手帳による交通費の助成制度
透析治療を受けている方の多くは身体障害者手帳1級の交付を受けられ、様々な交通費の助成を受けられます。
全国腎臓病協議会によると、腎臓機能障害は等級に関わらず第一種身体障害者に該当するため、JRをはじめとする多くの交通機関で運賃の割引が適用されます。
| 種類 | 本人単独 | 介護者同伴本人および介護者 |
|---|---|---|
| 普通乗車券 | 100キロ以上割5割 | 5割 |
| 回数券乗車券 | なし | 5割 |
| 定期乗車券 | なし | 5割 |
| 普通急行券 | なし | 5割 |
バスや地下鉄では、手帳の提示で運賃が半額になる自治体が多く、タクシーでは全国一律で1割引が適用されます。また航空運賃も普通大人片道運賃のおおむね30〜40%が割引になり、第1種身体障害者の場合は介護者1名も割引を受けられます。
制度を活用すれば、週3回の通院にかかる交通費を削減できる方も多いでしょう。身体障害者手帳の申請は市区町村の福祉窓口で行います。
介護タクシーやリフト付きタクシーの利用
自力での公共交通機関の利用が困難な場合、介護タクシーやリフト付きタクシーが選択肢となります。介護タクシーは車椅子やストレッチャーのまま乗車できる専用車両を使用し、介護資格を持つ運転手が乗降や移動の介助を行います。
ただしタクシー運賃や車椅子などの機器使用料は実費となります。
- タクシー運賃
-
一般のタクシーと同程度のメーター制(初乗り2㎞:700~800円前後)
または30分3,000円前後の時間制 - 介助料
-
基本介助(乗降・荷物移動)無料~1,000円
- 室内介助・特殊介助
-
室内移乗1,000円~2,000円
階段介助(1,000円~2,000円) - 機器使用料
-
車椅子 無料~1,000円
リクライニング車椅子 2,000円程度
ストレッチャー 4,000円~6,000円 - その他
-
迎車料金、予約料金など
一般的な料金の目安として、自宅から3キロ離れた病院までの片道で、タクシー運賃約1050円に介助料約1000円が加算されますが、介護保険適用の場合は介助料の自己負担は100円程度になります。
参考:厚生労働省 訪問介護
予約時には、車椅子対応車両の必要性、介助の範囲、料金体系を事前に確認しましょう。透析施設の送迎サービスと比較すると費用はかかりますが、自分の都合に合わせた時間に通院できます。
自治体の福祉有償運送サービスを確認する
地域によっては、NPO法人や社会福祉協議会が運営する福祉有償運送サービスが利用できます。介護タクシーより低価格で利用できる地域密着型の送迎サービスです。
福祉有償運送は、単独での公共交通機関利用が困難な高齢者や障害者を対象に、非営利団体が自家用車を使って行う個別輸送サービスです。営利とは認められない範囲の対価で提供されています。
料金はタクシーの概ね2分の1程度に設定されており、透析のような定期的な通院に継続して利用する場合、経済的負担を大きく軽減できます。ただし福祉有償運送を実施している団体は地域によって異なり、サービスの有無や内容も自治体ごとに差があります。
例えば東京では市区町村担当窓口の連絡先が福祉局のサイトに掲載されていますので、お住まいの地域の担当部署に問い合わせるとよいでしょう。
通院にかかる交通費と負担軽減策
週3回の透析通院では、年間約150回以上の通院が必要となり、交通費も相当な額になります。身体障害者手帳による5割引を活用しましょう。
さらに自治体独自の助成制度を利用すれば、負担を軽減できる可能性があります。例えば名古屋市では、人工透析で週3回以上通院している方には年間200枚の福祉タクシー利用券が交付され、1枚あたり上限500円の助成を受けられます。
また通院にかかる交通費は医療費控除の対象となるため、確定申告で所得税の還付を受けられます。公共交通機関の運賃は領収書がない場合が多いため、通院日と利用区間、金額をノートに記録しておきましょう。
助成制度を組み合わせると、年間の交通費負担の削減も可能になる場合も多いので、利用できる制度を漏れなく確認しましょう。
在宅血液透析や腹膜透析への切り替えを検討
通院負担を解決する方法として、在宅で行う透析治療への切り替えがあります。在宅血液透析や腹膜透析に変更すると、週3回の定期通院を月1〜2回程度まで減らせる可能性があります。
通院による血液透析以外の治療法は医学的条件と生活環境の両面から検討する必要があります。ですが通院の時間的負担や身体的負担から解放され、生活の質を大きく向上させられる可能性を持っています。
在宅血液透析なら通院回数を減らせる可能性も
在宅血液透析は自宅に透析機器を設置して自分で血液透析を行う治療法で、通院による負担を軽減できます。
日本在宅血液透析学会によると、在宅血液透析では施設透析と同じ血液透析の原理を用いながら、自宅で治療を行うため通院は月1〜2回の定期受診のみで済みます。
週3回の通院が必要だった施設透析と比べ、通院回数を年間約150回から12〜24回程度まで減らせる計算になります。さらに自分のライフスタイルに合わせて透析時間を設定できるため、仕事や家族との時間を確保しやすくなります。
通院のストレスから解放されれば、精神的な余裕も生まれ、生活全体の満足度が向上する可能性があります。
腹膜透析は自宅で毎日行い通院は月1回程度
腹膜透析はお腹の中の腹膜を利用して血液を浄化する治療法で、在宅血液透析と同様に通院回数を減らせます。腹膜透析では自宅や職場で透析液の交換を行い、通院は月1回が基本となります。
| 透析液の交換方法 | 交換方法 | 交換回数・時間 | 生活への影響 |
|---|---|---|---|
| CAPD | 日中に自分で交換 | 1日3~4回 1回20~30分 | 交換以外は通常生活可 |
| APD | 夜間に機械が自動交換 | 就寝中に完了 | 日中はほぼ自由 |
腹膜透析は体への負担が少なく、血圧の変動も穏やかで心臓への負担が軽減されると一般的に言われています。また個人差はありますが、残存する腎機能が保たれるため、尿量が維持されやすい特徴もあります。
通院回数が少ないため旅行や出張の際も透析液を事前に手配すれば対応可能で、生活の自由度が高い治療法といえます。ただし耐用期間がありますので、一定期間後は血液透析へと移行する流れです。
それぞれの治療法に必要な条件と準備
在宅血液透析、腹膜透析にはそれぞれ条件があり、満たしている方が利用できます。また準備期間等も必要になるので、自分が対応できるかも知っておく必要があるでしょう。
| 手術の必要性 | トレーニング期間 | 必要スペース | 耐用期間 | 通院頻度 | 介助者の同席 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 在宅血液透析 | シャント要 | 3ヶ月~半年 | 畳約1.5畳~2畳分 | 制限なし(継続可) | 月1~2回 | 透析中は必須 |
| 腹膜透析 | カテーテル埋め込み手術あり | 入院中に習得 | 畳約1畳分 | 5~10年を目途に移行検討 | 月1回 | 不要 |
在宅透析を始めるには、医学的条件と生活環境の両方を満たす必要があります。
医師と相談して自分に合った方法を選ぶ
在宅透析への切り替えは、主治医との十分な相談のもとで決定すべき選択です。まず自分の医学的状態が在宅透析に適しているかを確認する必要があります。
- 安定した維持透析ができていること
- 自己穿刺が可能なシャントを持っていること
- 在宅透析に支障となる重篤な合併症がないこと
また生活環境についても率直に相談しましょう。住宅のスペース、家族の協力体制、経済的な負担、現在の仕事や生活スタイルとの両立可能性など、不安に感じる点はすべて医師に伝えることが大切です。
必要に応じてセカンドオピニオンを活用し、複数の医師の意見を聞くことも有効な判断材料になります。焦って決める必要はありませんので、十分に情報を集め家族とも話し合いながら、自分に最も適した治療法を選択してください。
透析通院の負担を減らすための日常の工夫
日々の小さな工夫の積み重ねも通院負担の軽減に大きく役立ちます。特別な手続きや費用をかけずに、今日からでも実践できる工夫はたくさんあります。
一つひとつは小さな変化でも、積み重なると通院に対する心理的・身体的な負担は確実に軽くなっていきます。自分のペースで無理なく続けられる工夫を見つけ、少しずつ生活に取り入れてください。
透析治療は長期間にわたるものですから、持続可能な方法で負担を減らしていく視点を持ちましょう。
通院日のスケジュールを無理なく組み立てる
透析通院の負担を減らすには、無理のないスケジュール管理が基本になります。透析1回あたり最短でも4時間程度かかるため、前後の時間も含めると半日以上が透析に費やされます。
このため透析日に他の予定を詰め込みすぎると、心身ともに疲弊してしまいます。透析前の時間は余裕を持って過ごし、慌てて通院することのないよう準備しましょう。
朝一番の透析枠を選ぶ場合は前日の夜に持ち物を準備しておく、午後の枠なら午前中はゆっくり過ごすなど、自分のリズムに合わせた時間配分を心がけてください。
また自分の体調のパターンも把握しておきましょう。月曜日は体調が良い、金曜日は週の疲れで辛いなど、曜日によって体調が変化する方も少なくありません。可能であれば透析枠を調整して、体調の良い曜日に予定を入れるなどの工夫ができます。
透析日には最低限の用事だけにとどめ、できる限り余裕を持たせることが長く透析を続けていく秘訣です。買い物や銀行の用事など必要な外出は、透析日ではなく体調の良い日にまとめて行うようスケジュールを組み立ててみましょう。
透析後の疲労感を考慮した予定の調整
透析後は多くの方が疲労感や倦怠感を経験します。倦怠感は急激な除水による血圧低下、電解質の変動、尿毒素の残留、貧血などが複雑に絡み合って生じるもので、異常なことではありません。
透析後の過ごし方としては、まず帰宅後はゆっくり休息をとることを優先しましょう。無理に家事をこなそうとせず、横になって体を休める時間を確保してください。
透析の日は休息日としてゆっくり過ごすのも一つの方法です。夕食の準備が負担になる場合は、透析日だけは簡単な食事にする、家族に協力してもらう、宅配弁当を利用するなどの工夫も有効です。
また透析日の夕方以降に友人との約束は避けたほうが賢明です。せっかくの予定も体調が悪くて楽しめなかったり、無理をして体調を崩してしまったりしては本末転倒です。
どうしても外せない用事がある場合は、透析のない日に設定するよう調整しましょう。
毎日30分以上屋外を歩行している透析患者や活動量が多い透析患者は疲労感が少ないとされており、基礎体力の向上も疲労感軽減に役立ちます。
家族や支援者とのコミュニケーション
透析治療を続けていく上で、家族や周囲の人々とのコミュニケーションは非常に重要です。家族の送迎や介助を受けている場合、遠慮や気兼ねから本当の体調や希望を伝えられずにいる方も少なくありません。
しかし無理を重ねても長期的には良い結果を生みません。体調が優れないとき、送迎の時間を変更してほしいとき、休息が必要なときは、正直に伝えましょう。
家族も患者本人の状態が分からなければ適切なサポートができません。逆に「大丈夫」と言い続けて突然倒れてしまう方が、よほど心配です。
また家族や支援者への感謝の気持ちを言葉で伝えることも忘れないでください。送迎や付き添いは当たり前のことではありません。「ありがとう」「助かっている」という言葉は、支える側の励みになり、良好な関係を維持する上で欠かせません。
家族以外にも、近所の方や友人など、ちょっとした手助けをしてくれる人がいる場合は、素直に頼ることも大切です。「迷惑をかけたくない」と思う気持ちは分かりますが、助け合いは人間関係を深めるきっかけにもなります。
困ったときはお互い様という気持ちで、必要なサポートは遠慮せずに求めていくとよいでしょう。
透析クリニックのスタッフに相談できる環境
通院の負担について、最も身近で頼りになるのが透析クリニックのスタッフです。医師、看護師、臨床工学技士、医療ソーシャルワーカー、栄養士など、様々な専門職が透析患者の生活を支えています。
通院が大変だと感じたら、まずは透析クリニックのスタッフに相談してみましょう。医師には体調面での不安や症状について、看護師には日常生活での困りごとについて相談できます。
特に医療ソーシャルワーカーは、透析患者の重要な相談窓口です。医療ソーシャルワーカーは療養中の心理的・社会的な不安や問題が解決につながるようサポートする福祉の専門職で、多くは社会福祉士や精神保健福祉士などの国家資格を持っています。
- 医療費や仕事に関する悩み
- 社会保障制度の活用
- 退院後の生活調整
- 在宅での介護サービスの手配
- 施設入所のサポート
スタッフは多くの透析患者と接しているため、似たような悩みを持つ他の患者がどのように対処しているか、どのような制度やサービスが利用できるかなど、豊富な情報を持っています。
一人で悩んでいても解決策は見つかりませんが、相談で思わぬ解決策が見つかるケースも多いのです。透析時間の変更や透析スケジュールの調整など、クリニック側で対応可能なこともあります。
