透析を回避する方法はある?腎機能を守るために今日から始める対策

透析を回避する方法はある?腎機能を守るために今日から始める対策

腎臓の機能が低下し、透析が必要になるかもしれないと言われた方は、大きな不安を抱えているのではないでしょうか。腎臓の働きが低下してしまうと最終的には透析療法を行います。

しかし、適切な対処をすれば、透析導入時期を遅らせることはできるとされています。透析導入を遅くするためには腎機能の低下を早く発見し、それ以上進行しないよう食い止める予防が大切です。

腎機能低下は、食事管理、生活習慣の見直し、治療によって進行速度を抑えられる可能性が高まります。この記事では、透析を遅らせるために今日から実践できる具体的な対策を解説します。できるだけ早期の対応が、あなたの腎臓を守る鍵となってくれます。

目次

透析が必要になる状態と回避の可能性

腎臓の機能が低下し続けると、いずれ透析療法が必要になる段階を迎えます。透析療法(血液透析)は、週に3回、1回あたり4時間程度の通院により時間的な拘束があり生活に大きな制限を受けます。

できるだけ透析導入の時期を遅くしたい、また可能なら回避したいと考える方はもちろん少なくないでしょう。透析導入は数値だけで決まるわけではありません。

透析開始のタイミングは、症状や日常生活の活動性、栄養状態などを総合的に判断し、保存的治療で管理が難しい場合とされています。

対応策内容
降圧薬による血圧管理適切な血圧コントロール
塩分と水分の制限1日6g未満の減塩
たんぱく質・リン・カリウムの摂取制限腎機能に応じた調整
十分なエネルギー摂取体重1kgあたり35kcal以上
症状に応じた薬剤投与専門医の指示に従う

失われた腎機能を回復させることは難しいものの、治療や療法などで腎機能低下の進行速度を遅らせることは期待できます。

参考:治療法について|一般社団法人 全国腎臓病協議会

eGFR15以下で透析導入を検討する段階

eGFRとは推算糸球体濾過量の略称で、腎臓が1分間にどれくらいの血液を濾過できるかを示す指標です。血清クレアチニン値と年齢、性別から計算され、腎機能の評価に広く用いられています。

eGFRが15mL/分/1.73m²未満になるとCKDステージG5の「末期腎不全」に分類され、透析療法や腎移植といった腎代替療法の準備を始める段階とされています。

透析導入は腎不全症状、日常生活の活動性、栄養状態を総合的に判断し、保存的治療で管理が難しい場合に開始するとしています。むくみ、食欲不振、息切れなどの尿毒症症状の有無も判断材料となります。

参考:4.血液透析導入のタイミング

実際の透析導入時期は、個々の患者の状態に応じて医師と相談しながら決定されます。

腎機能の低下速度を遅らせることは可能

一度失われた腎機能を元に戻すことはできませんが、腎機能低下の進行速度を遅らせることは可能です。慢性腎不全の治療目標は進行を予防し、少しでも透析療法への移行を遅らせることとなっています。

ガイドラインでは、一定期間にeGFRが30%~40%低下することがサロゲートポイント(進行を早期に予測・評価する指標)と国際的にも認められているとあります。

実際の医療現場では、透析導入時期を遅らせながらQOLを保つ在宅療養、外来看護の体制も整えられてきている状態です。

保存期腎不全での適切な管理が鍵を握る

保存期腎不全とは、慢性腎不全の状態でありながら透析を受けなくてもよい段階を指します。腎機能の程度としては健康な人の30%〜10%程度にあたるとされています。

明確な定義はありませんが、CKDステージG3以降から腎代替療法開始前までの期間を指すことが一般的です。この時期の管理が透析導入時期を左右する理由は、適切な治療により腎機能低下速度を実質的に抑制できるためです。

進行を遅らせる対応
  • 降圧薬による血圧管理
  • 塩分と水分の制限
  • たんぱく質・リン・カリウムの摂取制限
  • 十分なエネルギー摂取
  • 症状に応じた薬剤投与

実は腎不全のためだけの有効な薬というものはありません。降圧薬の使用に水分や塩分制限、食事療法などを組み合わせて対応していきます。いずれか一つだけでは効果が限定的となる可能性があります。

早期対応で透析導入時期を遅らせられる可能性

腎機能が軽度低下の段階、CKDステージでいうとG3程度の時点から対応を始めましょう。日本腎臓学会のガイドラインでは、eGFRが45未満になった時点で腎臓専門医への相談が推奨されています。

ただしeGFR60未満が持続している、蛋白尿や血尿があるといった場合はステージにかかわらず専門医の受診が必須とされています。また早い段階での適切な治療が大切ですから、気になる点があれば積極的にかかりつけ医に相談してください。

早期介入の効果は具体的な数字として現れています。イタリアの研究では、eGFR 11に達した複数の保存期腎不全患者に対し、約1年にわたってeGFR 6以上を維持でき、透析導入を先送りできたことが報告されています。

腎機能の低下を抑える食事管理の基本

腎機能の低下を抑える食事管理の基本

食事療法は腎機能保護において大きな役割を果たします。腎臓の機能が低下すると体内の老廃物が排泄されにくくなります。

食事療法の基本原則
  • 塩分とたんぱく質の摂取は控える
  • 必要なエネルギー量はしっかり確保する

必要な栄養の不足は体調不良の原因になりかねません。適切な食事管理は単なる栄養調整ではなく、腎臓への負担を軽減し腎機能低下速度を実質的に抑制する治療法です。

塩分を1日6g未満に制限するため工夫

塩分の摂り過ぎは体内の塩分濃度を過剰にさせます。身体から塩分を排泄しようとして、腎臓の糸球体に過剰な負担がかかってしまうのです。

塩分を多く摂取すると血液の浸透圧が上がります。体は水分を貯めようとするため、腎障害がある場合は塩分摂取がむくみや高血圧の直接の原因になりかねません。

高血圧は腎機能の低下を早める原因とされています。1日の食塩摂取量は6g未満に抑えましょう。塩分制限は血圧を下げるだけでなく、体液量の増加を防ぎ腎臓への負担を軽減します。

食塩量を減らす工夫
  • 調味料は必ず量る
  • 酢、レモンなどの酸味やスパイスを利用する
  • 加工食品やインスタント食品はできるだけ避ける
  • かつお節や煮干しなど天然のだしを使う

減塩を実践するには、まず調味料や食品に含まれる食塩量を知っておくことが大切です。食品にナトリウム(Na)量が表示されている場合には、食塩量に換算してみましょう。

食塩量に換算する計算式

食塩量(g)=表示のNa量(mg)×2.54÷1000

実行しやすいものから始め、減塩を継続できるようにしましょう。

たんぱく質摂取量を腎機能に応じて調整

食事で摂取したたんぱく質は、体内で尿素窒素に分解されます。尿素窒素が過剰になると排泄させるために腎臓の糸球体に負担がかかってしまうのです。

たんぱく質の摂取量によって体内で作られる尿素窒素の量は変わります。働きが低下した腎臓の負担を減らすためには、たんぱく質の摂取を控える必要があるのです。

摂取量の目安はCKDステージ(GFR値による1から5までの段階)によって基準はあります。ただし、どこまで控えるとよいのかは病態や腎機能の程度によって大きく異なります。

必ず主治医や管理栄養士の指導を受けて摂取量を決めましょう。

カリウムやリンの過剰摂取を避ける食品選び

腎機能が低下すると、カリウムやリンが尿へ十分に排泄されず体内に蓄積します。

血中のカリウム濃度が高くなりすぎると不整脈が発生し、心臓が止まることがあります。またリンの過剰摂取は腎機能悪化と関連するばかりでなく、動脈硬化を進行させる原因となります。

カリウムリン
リスク不整脈
心停止
腎機能悪化
動脈硬化
多く含む食品生野菜
果物
加工食品
食品添加物
対策水にさらす
ゆでこぼす
加工食品を減らす

ただしカリウムを含んでいる食品は、たんぱく質も含んでいるのでたんぱく質制限が適切だとカリウムも自然に制限されることが多いです。

保存期腎機能障害では晩期になるまで高リン血症が現れにくく、薬剤(リン吸着薬)の使用が難しいともいわれています。医師の指示に従った食事管理が必須といえるでしょう。

適切なエネルギー摂取で栄養状態を維持

たんぱく質を制限する際、最も注意すべきは十分なエネルギー摂取の確保です。食事でとるエネルギーが不十分になってしまうと、体内に蓄えられていたたんぱく質を消費して補います。

結果として筋肉などがエネルギー源として使用され、代謝産物が血液中にあふれ腎臓に過剰な負担がかかります。

たんぱく制限を行う際には体内のたんぱく質、すなわち筋肉が壊されないように十分なカロリーを摂取する必要があり、肥満がない場合には体重1キログラムあたり一日35キロカロリー以上の摂取が勧められています。

必要なエネルギー確保のポイント
  • 揚げ物、炒め物、ドレッシングなど油を使った料理を食べる(1日1回)
  • 春雨などのでんぷん食品を食べる
  • 間食はたんぱく質を含まないように調整された菓子類等を選ぶ

低たんぱく米などの特殊食品の利用も効果的です。糖尿病にかかっている方は、食事内容は医師や栄養士とよく相談してください。

腎臓を守る生活習慣の見直しポイント

腎臓を守る生活習慣の見直しポイント

日常生活での習慣も腎機能に大きな影響を与えます。慢性腎不全の治療では生活習慣にも注意を払いましょう。

生活習慣の注意点
  • 血圧管理
  • 血糖コントロール
  • 禁煙
  • 適度な運動

生活習慣を総合的に改善すれば、腎臓への負担を様々な方面から軽減できるとされています。医師に相談して取り入れやすいものから実行していきましょう。

血圧管理を適切に行い腎臓への負担を減らす

段階状態
高血圧が持続腎臓の血管に過剰な圧力
血管壁が傷つき硬化血管の損傷
腎臓への血流が悪化血流障害
腎機能低下が加速腎機能の悪化
高血圧による腎臓への影響

日本腎臓学会のCKD診療ガイドライン2023では、高血圧を伴うCKD患者に診察室血圧130/80mmHg未満への降圧療法が推奨されています。

血圧は塩分制限と降圧薬の使用によって適正な値に維持しましょう。慢性腎臓病での治療の目標は、腎機能障害の進行を抑えることとされています。

家庭での血圧測定は、病院での血圧測定と同様に重要なためきちんと測定してください。起床時(排尿後)と就寝時に測定し、血圧手帳に記録して日々の変動を把握しておきます。

体重測定と合わせて記録すると栄養状態や体液量の変化もわかり、より適切な管理が可能になります。

血糖値のコントロールで糖尿病性腎症を予防

高血糖状態が持続すると、腎臓の糸球体にある毛細血管がダメージを受けます。糖分が過剰に流れ込むとろ過機能の負担が増加し、血管壁が厚くなったり硬化したりして、最終的には糸球体の機能が失われていきます。

日本腎臓学会のCKD診療ガイドラインでは、糖尿病性腎臓病患者にHbA1c 7.0%未満を目安とした血糖管理が推奨されています。

糖尿病患者は正常~微妙アルブミン尿の段階からの集約的な治療によって、CKDの発症や進展を低減できるとされています。

血糖管理のためのポイント
  • 食事療法
  • 運動療法
  • 薬物療法

血糖降下薬による治療に加え、医師や管理栄養士の指導のもとで食事療法を行いましょう。また日常生活も見直して規則正しい生活を意識してください。

禁煙と節酒で腎機能悪化のリスクを下げる

喫煙は腎臓の血管を収縮させ、血流が悪化し腎機能低下が加速してしまいます。タバコに含まれる有害物質は血管内皮を傷つけ、動脈硬化を促進するため、腎臓への酸素や栄養の供給が阻害されます。

禁煙は腎機能保護のためにはすぐに取り組むべき対策の一つです。禁煙が難しいと感じる方は、禁煙外来を活用しましょう。

アルコールの過剰摂取は高血圧を引き起こし、腎臓への負担を増大させます。また、利尿作用による脱水状態は腎臓に直接的なダメージを与える可能性があります。

適正飲酒量の目安は日本酒換算で1合程度(アルコール20g/日)までとされ、できれば週に数日の休肝日を設けることが望ましいです。喫煙と飲酒の両方を控え、腎機能悪化のリスクの低減を目指しましょう。

参考:CKDと生活習慣

適度な運動習慣で生活習慣病を改善する

適度な運動は血圧、血糖値、体重のいずれの管理に効果的で、血圧などの改善は間接的に腎臓を保護するとされています。

運動による効果結果
血管の柔軟性が保たれる血流改善
インスリン感受性が向上血糖コントロール改善
肥満の解消腎臓への負担軽減
運動による腎臓への負担軽減の流れ

腎機能低下の主な原疾患である高血圧や糖尿病に対して、運動療法は重要な役割を果たします。

日本腎臓学会では生活指導のガイドラインを作成しており、腎臓病の種類や程度に合わせた生活指導区分を定めています。現在どのような生活が適切なのかは指導医と相談してください。

指導区分家庭・余暇活動
A:安静(入院・自宅)不可
B:高度制限散歩、ラジオ体操程度(3~4メッツ以下)
C:中等度制限速足散歩、自転車(4~5メッツ以下)
D:軽度制限軽いジョギング、卓球、テニス(5~6メッツ以下)
E:普通生活水泳、登山、スキー、エアロビクス
生活指導区分の余暇活動

メッツとは身体活動の強さを安静時の何倍に相当するか表す単位です。(例:座って安静=1メッツ、普通歩行=3メッツ)

過度な運動は筋肉の分解を促進し、老廃物の増加により腎臓に負担をかける可能性があります。また、運動中の脱水状態は腎血流を低下させるリスクがあるため、こまめな水分補給を心がけてください。

薬物療法と定期検査による腎機能の維持

腎機能を維持するには、生活習慣の改善に加えて医療機関での専門的な治療と定期的な検査が不可欠です。薬物療法は糖尿病や高血圧といった原疾患をコントロールするとともに、腎臓そのものを保護する目的でも期待できます。

また、定期的に検査を行い腎機能の変化を把握し、結果に基づいて治療内容を調整していくことも大切です。

自己判断で薬を中断したり検査を怠ったりすると、気づかないうちに腎機能が悪化する危険性があります。

降圧薬や血糖降下薬による原疾患の治療

高血圧に対する薬物療法では、ACE阻害薬やARB(アンジオテンシンII受容体拮抗薬)が腎保護効果を持つため、CKD患者に推奨されています。薬剤は血圧を下げるだけでなく、糸球体内の圧力を軽減して腎機能の低下を抑制します。

アルブミン尿を伴うCKD患者への第一選択薬として位置づけられています。

糖尿病性腎症の進行を防ぐには、血糖降下薬による適切な血糖管理が欠かせません。近年ではSGLT2阻害薬など腎保護作用が確認された薬剤も登場しており、血糖コントロールと同時に腎機能の維持が期待できます。

副作用や服薬に関する不安がある場合は、自己判断で中止せず必ず医師や薬剤師に相談してください。

腎臓に負担をかける薬剤の使用を避ける

腎機能が低下している場合、特定の薬剤が腎臓にさらなるダメージを与える可能性があります。代表的なものがNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)と呼ばれる痛み止めで、イブプロフェンやロキソプロフェンなどが該当します。

薬物は腎臓の血流を低下させ、急性腎障害を引き起こすリスクがあります。また、CT検査などで使用される造影剤も腎毒性があるため、検査前には必ず腎機能を確認する必要があります。

市販薬や健康食品にも注意が必要です。風邪薬や鎮痛剤の多くにNSAIDsが含まれており、漢方薬やサプリメントの中にも腎臓に負担をかける成分が含まれている場合があります。「天然由来だから安全」という思い込みは危険です。

腎機能が低下している方は、どんな薬を使う場合でも必ず医師や薬剤師に相談してください。自己判断での服薬は腎機能悪化を招く恐れがあるため、処方薬だけでなく市販薬や健康食品についても、使用前に専門家に確認しましょう。

定期的な血液検査と尿検査で状態を把握

腎機能を正確に評価するには、定期的な検査が不可欠です。血液検査では血清クレアチニン値を測定し、そこから年齢や性別を考慮してeGFR(推算糸球体濾過量)を算出します。

eGFRは腎臓がどれだけ老廃物をろ過できているかを示す重要な指標です。尿検査では尿たんぱくや尿アルブミンを測定し、腎臓からたんぱく質が漏れ出ていないかを確認します。検査により、腎機能の現状を客観的に把握できます。

腎臓病の進行度に応じて、3ヶ月から6ヶ月ごとに定期検査が推奨されます。継続的に検査を受ければ腎機能の推移を追跡でき、悪化の兆候を早期に発見できます。

検査結果は記録し、数値の変化を可視化しましょう。eGFRや尿蛋白の推移をグラフ化すると、治療の効果や生活習慣改善の成果を確認できます。

数値が改善していれば継続の励みになり、悪化傾向があれば治療方針の見直しを医師と相談する契機となります。

腎臓専門医との連携で透析導入時期を遅らせる

腎機能を長期的に維持し透析導入を遅らせるには、腎臓専門医を中心とした多職種チーム医療が効果的とされます。医師、管理栄養士、看護師、薬剤師などからなるチームと共に治療を継続していきます。

各専門家の連携によって、包括的で質の高い医療へとつながります。専門的なサポートを早期から受けることが、透析回避への最も確実な道です。

定期的な通院と検査で腎臓の状態を正確に把握

腎臓専門医のもとでは、一般的なかかりつけ医よりも検査頻度は高くなるとされます。

検査項目評価内容
eGFR腎臓のろ過能力
血清クレアチニン腎機能の指標
尿蛋白たんぱく質の漏出
電解質バランスカリウム・リンなどの状態
腎機能の状態に応じて行われる検査

※1ヶ月から3ヶ月ごとに血液検査と尿検査を実施

複数の項目を継続的にモニタリングします。検査を多く行うため、わずかな変化も見逃さず把握できます。

医師は詳細な検査データを総合的に分析し、腎機能の悪化速度や原疾患のコントロール状況を正確に評価します。単に数値を確認するだけでなく、腎臓病の病態を深く理解した上での評価が行われるため、より精密な治療方針の決定が可能になります。

腎臓内科医による専門的な治療管理

腎臓内科専門医は、腎機能の状態に応じた薬物調整を行います。腎機能低下時には、多くの薬剤で投与量の調整や使用制限が必要になります。

専門医は腎排泄型薬剤の適切な減量や代替薬の選択、複数の疾患を持つ患者への最適な薬物療法を実施できます。また腎臓を保護するための薬の効果を最大化しつつ、副作用のリスクを最小限に抑える治療計画を立てられるのです。

一般内科では対応が困難な複雑な病態、例えば急速進行性腎炎やネフローゼ症候群、電解質異常の管理なども、腎臓内科専門医の専門領域です。腎臓病の病態を深く理解した上での治療判断により、より安全かつ効果的な医療が提供されます。

専門医は新しい腎保護薬や治療法についての知識も豊富で、患者一人ひとりに最適な治療を受けられるメリットがあります。

管理栄養士の栄養指導を活用する

腎臓病専門の管理栄養士は、患者一人ひとりの腎機能、体重、活動量、嗜好に合わせた個別化された食事指導を提供します。

栄養管理士の具体的なアドバイス
  • たんぱく質や塩分の制限量を伝える
  • 食材の選び方
  • 調理方法の工夫
  • 1日の食事配分
  • 献立作成の実例
  • 外食時のメニュー選びのコツ
  • 調味料の使い分け
  • 低たんぱく食品の活用法

食事記録を基に現在の食事内容を分析し、改善点を具体的に提案してもらえるため、何をどう変えればよいかが明確になります。定期的な栄養相談を受ければ、食事療法を継続しやすくなる効果があります。

疑問や困っている点を相談できる専門家がいれば、挫折せずに食事管理を続けられるでしょう。また、腎機能の変化に応じて食事内容を調整するタイミングも適切に把握でき、常に最適な食事療法を実践できます。

多職種チーム医療で腎機能を長期維持

腎臓病の保存期治療では、専門家が連携するチーム医療が実践されています。

専門家提供される医療等
医師治療方針を決定
管理栄養士食事療法を指導
看護師生活指導や心理的サポート
薬剤師服薬管理を支援
臨床検査技師正確な検査データを提供

それぞれの専門性を活かした多角的なサポート体制により、患者は安心して包括的なケアを受けられます。

透析を回避または遅らせるには、早期から腎臓専門医を中心としたチーム医療を受けることが確実な方法といえるでしょう。腎機能の低下が気になる場合は、かかりつけ医に相談し、必要に応じて腎臓内科への紹介を受けることをお勧めします。